IT業界はブラック企業しかない？ブラックじゃない会社を実際に紹介

昔は新3K（きつい・帰れない・給料が安い）と呼ばれていたIT業界。

過去のイメージがあり、IT業界はブラック企業しかないと思っていませんか？

最初にお伝えしたいのは、IT業界はブラックじゃないということです。

IT業界全体で働き方改革が行われ、働きやすいホワイト企業もたくさん増えました。

そんな今回は、「IT業界はブラック企業しかないのか？」という疑問にお答えしつつ、ホワイトIT企業も紹介していきます。

IT業界はブラック企業しかない？

まず結論ですが、IT業界はホワイト優良企業も多いです。

他の業界と比較をしても、働く環境も悪くありません。

そんな本章では、IT業界がブラックではない理由を3つ紹介します。

あわせてホワイトIT企業も紹介するので、ぜひご覧ください。

IT業界で離職率が低い会社

IT業界（情報通信業）は他の業界に比べると、離職率が低いです。

厚生労働省のデータ（令和4年）によると、全体の離職率は15.0%。

対して、IT業界（情報通信業）の離職率は11.9%しかありません。

項目	離職率
全体	15.0%
IT業界（情報通信業）	11.9%

業界別の離職率を一覧で比較してみても、IT業界は低い方だと言えるでしょう。

また、新卒（大卒3年以内）の離職率は平均32.3％に対し、IT業界（情報通信業）は27.9％と低い結果が出ています。

項目	新卒の離職率
全体	32.3%
IT業界（情報通信業）	27.9%

「離職率が高い＝人が辞めやすいブラックな業界」と考えられます。

IT業界は他の業界と比較してみても離職率は低いため、ブラックだとは言えないでしょう。

ちなみに、新卒3年以内の離職率が10％未満のIT企業をいくつかピックアップしました。

会社名	新卒離職率
電通国際情報サービス	0.00%
エクサ	2.60%
中電シーティーアイ	2.70%
ソニーグループ	3.50%
日本電信電話	4.60%
日本情報通信	4.80%
トレンドマイクロ	5.00%
オージス総研	5.40%
伊藤忠テクノソリューションズ	5.80%
日立ソリューションズ	6.90%
野村総合研究所	7.60%
ニッセイ情報テクノロジー	9.90%

離職率が低いIT業界のホワイト優良企業ランキングを紹介している記事もあるので、ぜひご覧ください。

IT業界で残業時間が少ない会社

IT業界の残業時間はどうでしょうか？

はっきり言って、IT業界は他の業界と同じくらいの残業時間です。

転職サイトdodaの調査によると、2022年の平均残業は22.2時間。

職種によっても違いますが、ITエンジニアの残業は18.9時間～27.5時間となっています。

IT/通信系エンジニアの種類	平均残業
テクニカルサポート／ヘルプデスク	18.9時間
品質管理（IT／通信）	20.2時間
データベース／セキュリティエンジニア	20.3時間
社内SE	21.5時間
アプリケーションエンジニア	22.1時間
研究開発／R＆D（IT／通信）	22.4時間
ネットワークエンジニア	22.9時間
Webエンジニア	24.9時間
サーバーエンジニア	25.1時間
ITコンサルタント（アプリ）	25.6時間
インフラコンサルタント	27.5時間

とはいえ、残業時間は職種だけではなく、会社によっても左右されます。

以下のように、1ヶ月の残業が20時間未満のIT企業もあるため、会社選びは大切ですよ。

会社名	平均残業
シンプレクス・ホールディングス	4.9時間
日立製作所	7.2時間
リンクレア	7.5時間
日鉄ソリューションズ	8.3時間
三菱総合研究所	10.9時間
YE DIGITAL	12.5時間
トヨクモ	12.7時間
JBCCホールディングス	12.8時間
伊藤忠テクノソリューションズ	13.0時間
サイバートラスト	15.0時間

残業が少ないIT企業を目指すなら、エンジニア経験者向けのマイナビIT AGENT や新卒向けのレバテックルーキーを使うのがおすすめですよ。

IT業界で年収が高い会社

IT業界は、他の業界に比べて平均年収が高いです。

国税庁の調査によると、日本の平均年収は443万円。

対して、IT業界（情報通信業）の平均年収は582万円と、100万円以上も高い結果となっています。

項目	平均年収
日本平均	443万
IT業界（情報通信業）	582万

実際、IT企業の中には平均年収が高い会社はたくさんあります。

平均年収800万以上のIT企業をいくつか紹介しますので、ぜひご覧ください。

会社名	平均年収
ジャストシステム	1,309万
野村総合研究所	1,232万
日本オラクル	1,121万
メルカリ	968万
オービック	959万
GMOペイメントゲートウェイ	955万
伊藤忠テクノソリューションズ	941万
トレンドマイクロ	941万
メタリアル	905万
富士通	859万
NTTデータ	852万
BIPROGY	828万
大塚商会	823万

IT業界の年収、離職率、残業時間をみてきましたが、他業界と比べてもブラックではなかったかと思います。

IT業界でブラックじゃない会社を探すなら、IT転職・就活エージェントを使いましょう。

IT業界に詳しい専任のアドバイザーが、あなたの希望にあった会社を厳選して紹介してくれますよ。

IT業界はブラック企業しかないと言われる理由

本章では、IT業界がブラック企業しかないと言われる理由を5つ紹介します。

昔のイメージが残っている

IT業界がブラックと言われる大きな理由の1つが、昔のイメージは残っていることです。

昔のIT業界は新3Kとも呼ばれるほど、労働環境が厳しい業界でした。

実際、IT業界は他と比べて残業が高水準だという報告書が、平成29年に情報サービス産業協会から提出もされています。

情報通信業においては、年間総実労働時間が1,963時間（全産業平均 1,741 時間）、 所定外労働時間が225 時間（全産業平均 132 時間）と高水準であり、また、長時間労働等を原因とする脳・心臓疾患、精神障害の労災補償の支給決定においても情報通信業は多い業種である。

引用：厚生労働省 –平成 28 年度業界団体等と連携したIT 業界の長時間労働対策事業

今ではだいぶ改善されていますが、IT業界には昔のイメージが残っているため、ブラックだと思われていることが多いです。

IT業界は下請けの派遣会社が多い

下請けの派遣会社が多いことも、IT業界はブラックだと言われてしまう原因です。

IT業界はピラミッド型の多重下請け構造になっているため、下の会社ほど年収は低く、立場も弱くなります。

また、下請けIT企業だと自社で働くことは少なく、上の会社に派遣されて仕事をします。

働く環境がコロコロ変わるため、IT業界で働くのに疲れてしまう人は多いです。

下請けになればなるほど、環境が悪い会社が増えるため、IT業界はブラックだと言われてしまいます。

プロジェクトに当たりハズレがある

IT業界では、プロジェクトの当たりハズレがあります。

会社から担当させられるプロジェクトによって、仕事内容や働く環境が変わってくるからです。

たとえば、残業や休日出勤が多いプロジェクトを担当している人にとっては、IT業界はブラックだと感じます。

逆に、残業が少なく、安定したプロジェクトを担当している人にとっては、働きやすい環境です。

ハズレのプロジェクトが多い会社に就職してしまった人にとっては、「IT業界＝ブラック」だと感じてしまうでしょう。

エンジニアじゃない仕事をやらせる会社がある

IT業界の中には、エンジニア以外の仕事をさせる会社があります。

エンジニアとして採用されたにも関わらず、以下のような仕事をやらされたら最悪ですよね。

はっきり言って、エンジニアとしてのスキルはまったく身につきません。

IT企業と言いつつ、ただの派遣会社もあるため、入社前に必ず仕事内容を確認するようにしましょう。

未経験歓迎なのにIT研修がない会社がある

未経験者を歓迎しているにも関わらず、IT研修がない会社があります。

IT研修がない会社は、IT企業ではなくただの派遣会社の可能性が高いです。

また、研修が充実していると言いながら、次のような内容の会社もあります。

IT業界では未経験採用をしている会社は多いですが、研修がないブラック企業もあるので注意しましょう。

未経験者でもITスキルがしっかり身につく会社に入りたい人は、IT転職・就活エージェントを使いましょう。

研修制度が充実し、未経験者にも手厚いサポートをしてくれる会社を紹介してもらえますよ。

IT業界でブラックじゃない会社に入る方法

IT業界でブラックじゃない会社に入るには、どうしたらいいのでしょうか？

本章では、IT業界でブラックじゃない会社に入る方法を3つ紹介します。

新卒の離職率をチェックする

まずは、新卒の離職率をチェックしてください。

目安としては、新卒3年以内の離職率が30%未満のIT企業を選ぶといいでしょう。

ブラック企業であれば、すぐに新卒は辞めてしまいます。

IT業界でブラックじゃない会社を見極めるためにも、必ず新卒の離職率はチェックしておきましょう。

上場企業は平均年収を確認する

上場しているIT企業を目指すなら、必ず平均年収は確認しましょう。

よくある勘違いですが、「上場＝年収の高い優良企業」ではありません。

なかには、年収が低いブラック企業もあるので注意してください。

上場企業の平均年収は「有価証券報告書」を確認してください。

ちなみに、上場しているIT企業を目指すなら、平均年収が700万以上の会社を選びましょう。

IT業界（情報通信業）の平均年収は582万です。

せっかく上場企業に入るなら、平均より高い年収をもらいたいですからね。

IT転職・就活エージェントに相談する

ブラック企業を避けられるか不安なら、IT転職・就活エージェントに相談してみましょう。

IT転職・就活エージェントは、専任のアドバイザーが内定までサポートしてくれる就職支援サービスです。

企業の紹介はもちろん、面接対策や日程調整、内定後の年収や入社時期の交渉もしてくれます。

IT業界はいろいろな会社があるため、ひとりでブラック企業を見極めるのは大変です。

入社後に後悔しないためにも、IT業界の専門家にホワイト企業を紹介してもらいましょう。

【まとめ】IT業界でブラックじゃない会社はある

今回は、IT業界はブラック企業しかないのか？について解説しました。

改めて結論をお伝えすると、IT業界にもブラック企業じゃない会社はあります。

ただし、なかにはブラック企業もあるため会社選びは大切です。

ブラック企業に入らないためにも、IT転職・就活エージェントを使って、自分に合ったホワイト企業を見つけましょう。